NICT Beyond5G研究開発推進ユニット

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Sakuraとまなぶ!

NICTの研究編

vol.5 正確な時計が増えると未来はどう変わる?!(時空間同期)

ねぇSakuraお姉ちゃん!この前教えてくれた時空間同期技術について、NICTではどんな研究が行われているのか教えて!

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もちろん!NICTの重要な役割のひとつが「日本標準時」の提供なの。NICTは日本標準時を正確に維持していて、このおかげで私たちのスマホやPCなど、あらゆるデバイスが同じ時刻を共有できるんだよ。

へぇ~、意外と身近な話なんだね!

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そうよ。でも今のデバイスが利用出来る時刻精度(数ミリ秒)では、5G通信や金融取引などの一部の高度な応用にはまだ十分ではないの。だから今、NICTではこの技術をさらに向上させるため、いろいろな研究が進められているの。その中から、まずは原子時計に関する研究について説明するよ!

原子時計って何?!

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時計は「時間を正確に測る」ための道具だけど、原子時計はその中でも 極めて高精度な時計なんだよ!一般的な時計は、機械式なら振り子やぜんまい、水晶時計なら水晶の振動を利用して時間を測っているんだけど、これらには少しずつ誤差が出るんだ。一方で、原子時計は「原子」が持つ周波数を利用しているの。この原子は、ある特定の周波数のみを吸収して状態が変わるの!そして、少しでも周波数がずれると原子の状態は変わらないんだ。だから、原子の状態が変わるときの周波数を基準にすることで、正確な時間が刻めるんだよ!

原子時計の仕組み

すごく正確な時計なんだね!

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この原子時計を小型にして、さらに大量生産できるようにするために「原子周波数標準チップ(CLIFS)」というものが開発されているの。 この技術によって原子時計がさまざまな機器に搭載されれば、産業や情報通信などの分野で高精度な同期が可能になるんだ。例えば、スマートフォンの基地局同士の時刻がずれなくなったり、ドローンの連携をサポートしたりすることができるんだよ。従来は大型で高価だった原子時計が、小型化と低コスト化によって、近い将来スマートフォンやウェアラブルデバイス(スマートウォッチなど)にも搭載されると考えられているよ。

そんなに小さくできるなんてすごいね!小さくするためにどんな技術が使用されているの?

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CLIFSにはとても小さくて便利な部品が必要で、小型化されている部品には、レーザー(光のスイッチ)、ガスセル(原子が入った小さな箱)、高周波発振器(電波のエンジン)があるよ。 これらはより小さく、安価に大量生産しやすいように様々な技術が使われているんだ!

原子時計の小型化にはとっても高度な技術が使われているってことなんだね!

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そうよ。そして原子時計が普及していくことで、「クラスタークロック」っていう技術が実現できると考えられているよ!

クラスタークロック?それってどんな技術なの?

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クラスタークロックは、複数の高精度な原子時計をネットワークでつなげて、それぞれの時計が補い合うことで、さらに高精度な時刻同期を実現する技術なの。わかりやすく言うと、みんなの時計を合わせて、ひとつの時刻を作るイメージだよ!

クラスタークロックのイメージ図

※[出典] NICT公式HP https://www.nict.go.jp/sts/cluster.html

将来、正確な時刻を作るために僕の時計も使えるようになるってこと?

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そのとおり!そして、原子時計をたくさんの場所に配置することで、たとえば地震や停電などで一部の時計が壊れたり機能しなくなったりしても、別の時計が正確な時刻を保ち続けることができるんだ。

災害にも強いんだね!どんなところで使われるのかな?

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そうね!大規模な通信ネットワークはもちろん、科学研究、金融システムなど、時刻精度が非常に重要な場面で特に活躍するよ! さらにBeyond 5Gを実現するには、あらゆるデータに正確な時刻の情報をもたせないといけないんだ。 とくに高速で動くものには、ほんのわずかな時刻のずれでも重大な影響が出るの。例えば、自動運転やドローンの制御などでは、精密な時刻同期が欠かせないんだよ。

時空間同期技術って、私たちの生活や未来の技術を支える、なくてはならない技術なんだね!

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そうなの。これからもどんどん進化していくから、私たちも注目していこうね!

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