NICT Beyond5G研究開発推進ユニット

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Sakuraとまなぶ!

NICTの研究編

vol.4 光と電磁波の間に広がる未来?!(テラヘルツ通信)

ねえSakuraお姉ちゃん!テラヘルツ波って光に似た特性を持つから、障害物に弱いって言ってなかったっけ?なにか対策するための研究はあるの?

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よく覚えていたね!例えば自己修復ビームに関する研究があるよ!自己修復ビームとは障害物によって乱されても、受信するまでにビームの形が元に戻る性質のビームのことで、これをテラヘルツ通信に組み込むことで、多少の障害物が間にあっても、情報を送れるようになるそうよ。

自己修復ビームの概念図

※[出典] NICT公式HP https://www.nict.go.jp/press/2023/12/21-1.html

そんな性質のビームがあるんだ!すごく面白いね!ほかに直進性を解消するための研究はある?

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そうだなぁ、「電波散乱シート」っていうのが開発されていて、いろんな方向からの電波を広い角度に散らばせることができるそうよ!このシートには厚みを薄くするために、メタマテリアルっていう技術が使われていて、普通の材料ではできないような特別な構造をナノメートルとかミリメートル単位で細かく設計しているの。それで、電波が普通とは違う反射をするようにしているんだよ。さらに、普通の金属とメタマテリアル構造の、反射の仕方が違う表面を幅を変えながら並べているので、広い角度で電波を散らばせられるみたい!普通なら届かない場所へも、電波を届けることができるんだって!
現在は工場などで利用されるローカル5Gの28 GHz帯に対応するものが開発されているけど、300 GHz帯でも適応できれば直進性を解決できるかもしれないね!

電波散乱シートの写真

電波散乱シートの概念図

※[出典] NICT公式HP https://www.nict.go.jp/publicity/topics/2024/10/03-1.html
NICTオープンイノベーション推進本部HP https://www2.nict.go.jp/oihq/seeds/detail/0051.html

すごく薄いんだね!確かにこれならどこにでも貼れそうだね!

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そうだよね!実際の建物などに実装されるのが楽しみだね!じゃあ最後にテラヘルツ通信を効率的に利用するための、「光ファイバ無線技術」に関する研究を紹介するね。現在のインターネットは、途中までは光ファイバなどの有線で接続されていて、私たちが使用するスマートフォンなどにはルーターなどから無線で送られているんだ。 テラヘルツ通信でも、情報は光ファイバを経由して送信されるよ。

通信経路と変換処理の図

確かに、マンションのWi-Fiもルーターが有線でインターネット回線につながっているね。

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今までは光ファイバで使われる光の情報と、テラヘルツ通信で使われる電磁波を変換するためには特別な処理が必要だったんだけど、この技術によって光ファイバの送信機にテラヘルツ通信の受信機を変換処理なしで接続して信号を送ることができるようになるんだ。変換処理を無くせると、変換するときの遅延がなくなってより効率的にデータが送れるようになったり、変換処理にかかる電力がなくなったりするから省エネにつながるよ!

すごいや!それにしてもNICTではテラヘルツ波についてたくさん研究されているんだね。

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テラヘルツ帯は電磁波と光の間の周波数に位置していて、これまで未開拓の分野だったんだよ。だから、光を研究していた人と電磁波を研究していた人が、それぞれの知識を共有しながら一緒に研究を進めているんだ。こうした協力によって、これからも多くの新しい研究が進んでいくと思うよ!

なるほど。未来の高速な大容量通信が楽しみだな!

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私も楽しみだよ。これからも一緒に学んでいこうね!

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