NICT Beyond5G研究開発推進ユニット

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NICTが描く未来像

Cybernetic Avatar Society

Cybernetic Avatar Society 写真

2035年〇月〇日:と或る企業の技術開発課長の日記

9:30

京都に在宅のまま東京本社の幹部と新製品企画のテレプレゼンス会議

写真1

3Dアバター同士でXRの遠隔会議。社長のアバターが目の前に現れた時は少々緊張したが、3D空間で社長の隣に移動し、製品VRプロトタイプを手渡して感触グローブを使って遠隔から体験してもらった。社長のGOサインもすぐにもらえた。

京都に在宅のまま東京本社の幹部と新製品企画のテレプレゼンス会議

10:30

地球規模での災害対応イベントに参加

写真2

自然災害を想定した大規模訓練イベントに遠隔から参加。地球規模の基幹網技術により各国の有識者がXR空間に参集して議論を深め、時空間同期技術を用いて我が社の製品を各国で同時に作動させた。我が社の製品が災害発生時にも有効であることを検証できたことは大変喜ばしい。

地球規模での災害対応イベントに参加

11:30

タイにある製造工場の緊急トラブルに瞬間身体移動で対応 (現地は9:30-10:00)

写真3

タイの製造工場から製造ラインが停止したとの突然の連絡。現地のアバターロボットに乗り移って製造機器の遠隔操作を試みたところ、部品の破損を発見。担当者が遠隔修理をしてくれたが、遅延の違和感もなく楽に遠隔作業ができたとのこと。

タイにある製造工場の緊急トラブルに瞬間身体移動で対応 (現地は9:30-10:00)

12:00

岡山の田舎に独り住んでいる親父を身体介助しながらリモート昼食

写真4

身体の機能が落ちてきた親父と一緒にアバターで昼食を楽しんだ。介助機器を遠隔操作して親父の食事を援助。脳波解析から理解力は衰えていないことが分かったので安心だ。親父が日頃使っているAI対話介護システムのおかげだろう。

岡山の田舎に独り住んでいる親父を身体介助しながらリモート昼食

13:00

社内会議と息子の授業参観に遠隔から複数アバターで同時参加

写真5

社内の遠隔会議と息子の遠隔参観がバッティング。会議のアバターは自律分身モードに設定して、アバターが伝えてくれる会議の状況をARで確認。気になった議案は遠隔分身モードに戻って発言。その間、授業参観を抜け出したのは息子には内緒だ。

社内会議と息子の授業参観に遠隔から複数アバターで同時参加

15:00

XR富士登山で心身のリフレッシュ

写真6

気分転換のために富士山にXRでプチ登山。現地に設置された多数の360度カメラや感触センサが柔軟に電波干渉を回避し、状況に応じた無線アクセスを行ってくれたおかげで、美しい雲海をライブで眺めながら、実際の登山と同等の遠隔体験を行うことができ、心身ともにリフレッシュできた。

XR富士登山で心身のリフレッシュ

16:00

トルコ(10:00-11:00)の取引先と日本語で遠隔交渉

写真7

我が社の製品は欧州・中東でも人気だが、今日はトルコの取引先との遠隔打合せがあった。トルコの言語・文化・風習は全く知らないので話が噛合うか心配だったが、相互の文化を考慮した同時通訳システムのおかげで先方との新たな契約もまとまりそうだ。

トルコ(10:00-11:00)の取引先と日本語で遠隔交渉

17:00

20:00

就寝前に未来技術のTV特集番組を視聴

写真8

今日も一人で何役も楽々こなせて充実した一日を過ごせた。15年前と比較して、我が国は少子高齢化がかなり進んだが、アバター技術のおかげで労働生産性はむしろ向上した。夕食後見ていた未来技術のTV特集番組によると、15年後には、脳の殆どの機能がAIに搭載されるらしい。凄い世界になりそうだが、これらの技術をどう使いこなすか、人間の知恵が試されそうだ。

21:30