vol.6 ケーブルなしでピッタリ時刻を合わせる!?(時空間同期)
ねえ、Sakuraお姉ちゃん、スマホの時計ってなんでいつもピッタリ正しいの?
いい質問だね。スマホの時計はね、ネットワークを通じて正しい時刻をもらってるんだ。それに加えて、GPS衛星からも時刻をもらってるんだよ。
GPSって、地図とかで使うやつでしょ?
その通り!でもね、実はGPSは地図だけじゃなくて、正確な時刻を伝えることも大事な役割なんだよ。地球の周りを飛んでるGPS衛星が、電波で『今は何時何分何秒だよ』って時刻情報を送ってるの。スマホはその信号を受け取って、自分の時計を合わせるんだよ。
へえ!それならどこにいても正しい時刻がわかるんだね!でもGPSが使えない場所ってあるのかな?
うん、屋外ならおおよそ使えるのだけど、GPSが届かない場所もあるんだ。たとえば地下鉄やビルの中では、電波が建物に遮られて届きにくいんだ。それに、GPSの電波は上空から届くから、水中や月面では使えないよ。あとは、GPSが届いていても、GPS衛星との通信環境が悪いと時刻の精度は悪くなってしまうこともあるよ。
え!じゃあ、そんな場所ではどうやって時刻を合わせるの?
そこでNICTで考えられているのが『無線で時刻を揃える技術』であるWi-Wi(ワイワイ)っていう技術なんだ。これはね、近くのデバイス同士が無線通信で『今は何時何分何秒だよ!』ってお互いに情報を交換しながら、ズレを補正して時刻を揃える仕組みなの。だから、GPSが使えない場所でも高精度な時刻同期ができるんだよ。
それなら無線通信ができる場所ならどこでも使えるね!でも、それってどうやって正確に揃えているの?
いい質問ね。無線の電波は約30cm進むのに1ns(1秒の1,000,000,000分の1)程度かかるの。だから、電波が届くまでのわずかな時間も計算して補正することで、より正確な時刻を共有できるようになるのよ。
なるほど、ちなみにWi-WiはGPSみたいに場所の情報はわかるの?
GPSみたいに、地球上のどこにいるかを直接特定するのは難しいんだけど、Wi-Wiを使えば、近くのデバイスとの距離は測れるようになるんだ。無線の電波が届くまでの時間を計算することで、距離も測定できる仕組みになっているのよ。これはGPSでも使われている原理だから、GPSが利用できない環境でも精密な位置測位システムとして応用する研究も進められているそうよ。
おもしろいね!お姉ちゃんはWi-Wiがどこで使われていくと思う?
たとえば工場では、ロボット同士が正確に動きを揃えるのに使えるし、災害時には、基地局が壊れてもデバイス同士で時刻を共有して通信ネットワークを作れるかもしれないね。あとはドローンや自動運転の車がぶつからずに安定して動けるようになると思うよ。さらにね、宇宙開発にも役立つ可能性があるの。宇宙ではGPSが使えないから、Wi-Wiでお互いの位置を把握しあった複数のロボットや機械が協調して作業をするようになるかもしれないんだよ。
へえ!無線で時刻と空間を同時に合わせられるといろんなことができるんだね!
そうだね。時空間同期技術は、これからの未来を支える大事なカギになるんだよ!
なんだかかっこいい!僕ももっと勉強してみようかな!
いいね!まなぶくんならきっと面白いことをどんどん見つけられるよ。一緒にいろんなことを探求していこう!
さくらとまなぶ!第二弾はこれにて終了です。一緒に学んでくれてありがとう!