NICT Beyond5G研究開発推進ユニット

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Sakuraとまなぶ!

NICTの研究編

vol.1 月面都市も夢じゃない?(光衛星通信)

ねえ、Sakuraお姉ちゃん!この前の展示会でいろいろ勉強してきたって言ってたけど、どんなことを勉強してきたの?僕にも教えてよ!

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この前の展示会では、NICTが行っている研究についていろいろ学んできたんだよ。その中には“Beyond 5G”に関連する技術もたくさんあって、とっても面白かったの!まずは宇宙にある衛星と私たちをつなぐ研究から説明するね!ちなみに“非地上系ネットワーク-(NTN)”っていう言葉を覚えているかな?

もちろん!衛星通信や“HAPS”などの空の高いところにある機器が通信するネットワークのことだよね?

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そのとおり!Beyond 5Gを実現するためにはNTNと私たちの近くにある地上系ネットワーク(TN)を障壁なくつなぐ必要があるんだよね。そのためにNICTが行っている研究の一つに“光衛星通信”の研究があるんだ。
光衛星通信”では、衛星から発射した光を望遠鏡で集めて光ファイバに繋ぐことで従来の無線通信よりも高速で大容量の通信を実現するんだよ。現在、望遠鏡は下の写真のように口径が1mあるような巨大な望遠鏡を使用しているのよ。

光衛星通信地上局の写真

光通信ってきいたから、光ファイバを思い浮かべたけど、光ファイバを衛星につなげなくても望遠鏡をつかって通信できるんだね!しかもこんなに大きい望遠鏡って初めて見たよ!

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実は鹿島に口径2mの望遠鏡を完成させていて、この望遠鏡を使うと月や火星など、より遠くの場所との超高速光通信が可能になるよ。将来的には月との通信に利用することも考えているそうよ。
月と地球の間で高速・大容量で安定した通信ができるようになれば、月面都市みたいな未来の実現に一歩近づくんじゃないかな?

月面都市ってなんだかSF小説みたいな未来が待っていそうだね!僕、ワクワクしてきちゃった。

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私も楽しみ!でも光通信を使用する課題は色々あって、その一つは衛星と地上局との間で光通信を行うと雲による通信経路の遮断などといった天候の影響を強く受けることなんだ。
だからNICTでは天候が異なる4地点(鹿島・小金井・神戸・沖縄)に地上局を配置したり、地上局を車で天気の良い地点に運んだりしてなるべく天候の影響を受けないようにしているよ。
あとは雲がなくても、衛星と地上局の間にある大気のゆらぎ(密度のむら )の影響で通信光の波面が乱れてしまい、光通信の精度が悪くなることも課題なんだ。そこで、NICTでは、この乱れた波面の向きを計測して整える技術を使って、光通信の品質を保持するための研究も行っているよ。

光衛星通信地上局の工夫1

光衛星通信地上局の工夫2

いろんな工夫をして光通信を成立させているんだね。すごいなぁ。

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地上局だけではなく衛星側にもたくさんの工夫がされていて、例えば、性能を維持しながら光通信機を小型化・軽量化・低消費電力化することにも成功しているの。これによって、将来的にもっと多くの衛星に搭載できるようになって、ネットワークがさらに充実するはずよ。
そして、2025年に打ち上げ予定の技術試験衛星9号機(ETS-9)に、開発してきた光通信端末を載せて、静止軌道の衛星と地上間で世界最高水準の伝送速度10Gbps級の光通信機能を確認するそうよ。

世界最高水準?!それに、小型で軽くて省エネなんて、すごい技術だね。打ち上げが楽しみだね。

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本当にね!これからもどんどん新しい技術が出てくるから、しっかり勉強していこうね!

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